10円から始まる物語

2018年11月7日水曜日

t f B! P L
毎日太陽の光を浴びることが大切です。
……と言われ、毎日少なくとも1回は外出するようにと医者に言われました。

なので、特別外に出る用事が無い日は、歩いて40~50分くらいのウォーキングをしています。
なるべく車が通らない、信号のない道を、ただただ歩いています。

先日、道を歩いていると人目につきやすい段差の場所に10円が置いてありました。
落ちてあったのか、それとも誰かが置いたのか。
恐らく後者であろう分かりやすい場所に、その10円玉はありました。

誰かが警察に届けるのか、それとも拾って自分の物にしてしまうのか。
……なんて事も考えずに、たいして気にもせずにその日は無視して通り過ぎました。


次の日、当然のように無くなっていました。
その10円が何処に行ったのか、何に使われたのかは分かりません。


精神病院から退院したての私は、
「ここにもう一度10円を置いたらどうなるんだろう?」
と考えだしました。

明日になれば無くなっているであろう人目に付く場所に、あえて10円を置いてみる。
この意味不明で損しかない行動に、何かしら意味があるのだと思ってしまいました。

もし小さな小学生がコレを拾ったら警察に届けるのだろうか?
それとも、駄菓子を買うのだろうか?
貯金するのだろうか? 親に届けるのだろうか? それとも違う場所に移動させるのだろうか?

もし、お金を持っていない、あと10円で飲み物が買える! みたいな状況の人が拾ったらどうするのだろうか?
まるで「神の御導きだ!」と言わんばかりの勢いで拾い、ジュースを買うのだろうか。

誰かがただ単に拾ってだけで終わりか。
もしかしたら、ゲリラ豪雨が起きてその10円にカミナリが落ちるかもしれない。
そのおかげで、誰かが助かるかもしれない。


……たった10円を道に置いておくだけで、色々な考えや物語が思い浮かぶ。
これは、大変コストパフォーマンスの良い娯楽なのではないでしょうか。
毎日10円を決まった場所においておけば、「毎日誰が置いているんだ?」と新たに疑問を持ってくれる人ができて、新たなイベントが発生するかもしれない。

そう考えると、たかが10円だというのに、物凄い力が秘められている、そう感じませんか?
10円に、物語のタネは眠っているんだと思います。


皆様、是非、コレをやってみてください。
私はあまりにこのくだらなすぎる行為をするのに、今の状態では勇気と行動力が足りません。
精神病棟から脱出したての小鹿のような人間です。
ですので、明日あたりから、どこか決まった場所に10円を置いてみてください。
きっと、いつもと違った、退屈な人生から脱出できる出会いがあるかもしれませんよ!!!






……なんて事を考えながら、約40分のウォーキングを終わらせてきました。
妄想は最強にして、最凶の娯楽。
ご利用は計画にってお医者さんが言ってました。

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