無敵の人について

2018年6月12日火曜日

t f B! P L
新幹線での殺傷事件。
犯人は22歳の無職で、社会的地位もなく、家族からも嫌われていた。

何も持っておらず、何も失う物もない。刑務所に入れられても「別に刑務所も悪くない」なんて思う人間。
そんな人間を「無敵の人」呼ぶのであれば、今回の犯人も「無敵の人」という事になると思う。

頻発している殺人予告も、ネットで誹謗中傷している人も、どうでもいい事でクレームを入れるクズも、要するに社会に害を成す人間はだいたい無敵の人だと思っている。
理由としては、失う物があればこんなしょーもない事をする訳もなく、しょーもない事で人生を終わらせたくないからだ。

守りたい物があれば、家族があれば、夢や希望があれば、人は誰かに優しくなれるし、優しく接して貰える。
逆に何も持っていなければ誰かに優しくできるはずもなく、仮に優しく接してもらえたとしてもそれを受け入れる事もできない。
自分にすら優しくなれない人間が、他者に優しくできる訳がない。



今回の新幹線殺傷事件もそうだが、私は同じような事件が発生するたびに思う。

「この人は、一体どんな人生を歩んできたのだろうか?」

この事件は偶然起きたものじゃない。必然的に、計画的に起きたもの。
彼はこの事件を計画している時に、何を思ったのだろうか。

人を殺したかったのだろうか?
幸せを壊したかったのだろうか?
家族に復讐したかったのだろうか?
社会に不安を与えたかったのだろうか?
自分の行為がニュースになる事に、何か優越感を感じたかったのだろうか?



夢や希望で満ち溢れていてもおかしくない、この22歳の少年の、22年もの人生で何があったのか。

中学でいじめにあい不登校になり、21歳で戸籍を外され、祖母の養子となって一緒に暮らす。
父親は「15歳の時から言葉も交わしてない」。
母親は「自殺することはあってもまさか他殺するなんて思いも及びませんでした」と話す。

世間では「父親が他人事だ!」だなんて騒いでいるが、私に言わせてもらえばこの母親こそヤバイと思う。
『自殺する事はあっても……』なんて言葉が自分の子供に向けてよく出せるな、そしてそんな事を思っていながらよくもまぁ祖母に全てをぶん投げたな、お前は一体なんなんだ? 悪魔か何かか? と思う以外に選択肢がない。



こんな家庭環境でまともな人間が育つ訳がない。
どこかの俺TUEEEE勇者が異世界転生してこの家庭に生まれたとしたら、間違いなくこの世界は滅んでいると確信する。
大企業の社長、大学の教授、ジョブズですら、この家庭に生まれたら同じような破滅の人生を歩んでいたと私は思う。



私は常々思う。
子供を愛する自信が無ければ、子供を産むな。
人生の全てを捧げる覚悟がなければ、子供を産むな。
子供はお前等の道具でもなく、アクセサリでもなければ宝石でもない。



「年功序列って言葉があるだろ? 子供が自殺しそうなら、親が先に死ねよ。 こんな人生にしちゃってごめんなさいって謝りながら死ねよ」

……なんて言いたいけど、個人的な事を言わせてもらえば、金持ちで幸せな家庭で生まれ育ったエリートが底辺に殺されるって状況は、なかなか面白い出来事だと思ってしまう。
心の中で「よっしゃw 効いてるw」なんて思ってしまう自分も、なかなか最悪な人間だと思う。


だけども、だけどもだ。
今回の22歳少年のやる役割では、ないとは思う。
彼は、絶対に幸せになるべき人間だったと思う。

わざわざ手間をかけて新幹線に乗って、刃物を手にして人を殺した人の気持ちなんて、誰にも分からないだろう。
誰かが優しさを分けてあげれば、どこかで幸せをみつけていれば、彼は救われていたのかもしれない。

自分ではどうしようもない、抗う術がない不幸な人間ってのは、救われなくちゃだめなんだ。
漫画やゲームだって、そうだろう?
この現実世界もそうであるように、次回から神様はこんな糞みたいな仕様にせず、バランスのとれた世界を作って貰いたいと思いました ~終~

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